この男は中国婁底市新化県に住む何容疑者（34歳）。同容疑者はオンラインローンとクレジットカードの使用で総額10万元（約162万円）以上にのぼる借金を抱えていました。この借金の返済に窮した何容疑者は、妻の戴さん（31歳）に内緒で9月7日に保険会社から個人傷害保険プランを購入、受取人を戴さんにして100万元の保険をかけました。その後自身の死亡を装うため9月19日、何容疑者は雇用先から車を借りて新化県を流れる川、資江に飛び込み、その後行方をくらましたのです。警察は遺体を捜索しましたが発見できず、戴さんは夫が事故で死亡したと信じ込みました。夫に借金があったことや生命保険のことなど何一つ知らなかった戴さんは、夫を失った悲しみに耐えきれず、10月11日に何容疑者との間にもうけた4歳になる息子さんと3歳の娘さんを連れて自宅近くの池に行き、入水自殺を遂げました。
池の近くを子供と一緒に歩いている戴さんの姿が監視カメラに捉えられており、池からは3人の遺体も発見されました。発見時、幼児２人は向き合った姿勢のまま、ひもで縛られていたといいます。戴さんは自殺前に、中国のソーシャルメディア「WeChat」の「モーメンツ」に遺書とみられるメッセージを投稿していました。
夫を亡くして、生きる意欲を失くした。夫の家族から、夫が死んだのは私の金遣いが荒くだらしがないからだと非難され、ほとほと疲れてしまった。夫との結婚生活は幸せだったし、私は夫を愛していた。夫に会いたくてたまらない。だから子供を連れて夫に会いに行く。そうすれば、また家族一緒にいられるから。
人生は苦しく短い。でも私にとっては苦しくも短くもなかった。幸せに感じながら行きます。愛する人の後について行きます。一緒に年を取って、一緒に天国に行こうと約束していたのに一人で行ってしまうなんて。私もかわいい子どもたちと、あなたを追いかけるわ。4人で一緒にいましょうね……妻と2人の子供が自殺したことを知った何容疑者は数日後、警察に自首しました。同容疑者が、地面に両手をついて泣き崩れながら子供たちに詫びる姿がソーシャルメディアで拡散されました。
何容疑者は借りた車に関する器物損壊と保険金詐欺の疑いで勾留され、取り調べを受けています。借金の理由については、てんかんを患う3歳の娘さんの治療費にあてたと供述しているそうですが、妻の戴さんの親戚は、娘の状態はすでに改善しており、何のために高額の借金をしたのかわからないと言っているそうです。
中国の法律の専門家の話では、何容疑者に妻子の自殺の責任を問うのは難しいようですが、その他の罪の量刑の際に加重される要素となる可能性はあるようです。
参考
Chinese woman kills herself and children after husband 'fakes death'
Tragic twist after husband faked death so wife could get insurance payout
Wife kills self, kids after Chinese man fakes own death for insurance
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