韓国の首都ソウル南郊にある同国最大の犬肉屠殺処理場で22日、同施設の解体作業が始まりました。同国の犬食文化に対しては、国際的動物愛護団体が残酷なものであると激しく非難し、その根絶を求めて行政に働きかけていました。英紙「デイリー・メール」電子版をはじめ、世界のメディアが報道しています。
韓国では今でも年間約100万匹の犬が食用として消費され、特に夏場に精がつく珍味として好まれています。しかしながら、国際的動物愛護団体の反発や、2002年の日韓ワールドカップを契機に消費が停滞し、以前の半分に減っています。
今回撤去されるのは、城南(Seongnam)市太平洞(Taepyeong-dong)にある施設。少なくとも6棟の建物があり、一度に数百匹の犬を収容することができるとされ、国内各地の犬肉料理店の最大の供給元となっていました。
この施設では犬たちをおりに押し込み、その目の前で別の犬を感電死させてから食肉処理するなど、犬を虐待した上無残な殺し方をしていると国際的動物愛護団体から強く非難されていました。
韓国には、食用犬の飼育や食肉処理の方法について定めた法律はなく、業者らは、食用犬にも家畜福祉に関する規則を適用して存続を図ろうとしていますが、動物権利活動家たちはこれに反対し、犬食の完全な廃止を求めています。
この残酷な施設の解体を実現させた「国際人道協会(Humane Society International=全米人道協会The Humane Society of the United Statesの国際部門)」が撮影した施設内部の画像や解体の様子を撮影した動画をご紹介します。
殺した後犬の毛を取り除く装置
他の犬の目の前で感電させて殺したうえ、解体していたそうです。
何百匹もの犬たちを閉じ込めていた檻
解体を見守る国際人道協会の人たち
「デイリー・メール」コメント欄に寄せられた英国の読者の声をご紹介します。
犬は人間の友達。食べるなんて信じられない。私の飼っている6匹の犬の1匹でさえ食べることは想像できない。
とてもよいニュースだ。犬は頭のいい忠実な友達。食べるなんて理解できない。
野蛮な風習を根絶する一歩だ。
素晴らしいニュースだ。世界で犬肉処理施設を廃止するきっかけになるといい。嬉しくて涙が出てくる。
犬肉はさておき、随分非衛生的な施設だ。
牛も動物だ。
遅かったぐらいだ。
ここで働いていた人たちには心がない。
「韓国には、食用犬の飼育や食肉処理の方法について定めた法律はない。」バケモノだ。歴史的な事実としてはアジアにおける犬肉食は飢饉のときにはじまった。それ自体としては文化の一部ではない。このとき味を覚えた人たちの中に、金儲けのために商売を始めた奴らがいる。
犬肉、牛肉、鶏肉、豚肉...すべて動物を苦しめている。人間は飼育と屠殺の方法にもっと責任感を持つべきである。ある動物に対して他の動物以上に愛着がわくとしても、他の動物を虐待していいということにはならない。
参考リンク
South Korea SHUTS DOWN its largest dog meat slaughterhouse where animals were electrocuted in 'landmark moment' for campaigners