ノルウェー サウジへの武器輸出許可を停止

(写真はアブダビの見本市で展示されるドイツのレオパルド戦車。「売却済み」の札が下げられている。)

 中東専門ニュースサイト「ミドル・イースト・アイ」は9日、ノルウェー政府が最近のサウジ及びイエメンにおける情勢を考慮して、サウジアラビアへの武器輸出許可を停止したと伝えました。



    ノルウェー外務省の声明



    ノルウェー外務省の報道官は、この措置が10月2日にイスタンブールでサウジ体制批判記者ジャマル・カショギ(ジャマール・ハーショグジー)氏が殺害されたことと関係があるかどうかについてはコメントしませんでした。
     イーネ・エーリクセン・ソーライデ・ノルウェー外務大臣は9日、以下の声明を発表しました。
    我が国は、現状に鑑みサウジアラビアへの防衛機材及び軍事利用可能な多目的製品の新規輸出許可を停止する。 
    またこの決定は「サウジアラビアにおける最近の情勢とイエメンにおける不透明な状況を広く検証」した上でなされたとも表明しています。


    ドイツに次いで輸出停止2カ国目



    サウジアラビアへ武器輸出を停止するのは、先月のドイツに続いてノルウェーが2カ国目となります。ドイツはジャマル・カショギ(ジャマール・ハーショグジー)氏殺害の経緯が説明されるまでは、武器輸出を停止すると明言しました。


    2014年から15年で中東向け武器輸出倍増



    ノルウェーは紛争当事国には武器を輸出しないことになっていますが、国の規模が小さい割には日本などと並んで小火器輸出国トップ20の中に入っています。ノルウェーの武器輸出の大部分は弾薬とロケットで占められており、民間利用にも可能な技術が含まれています。2014年から2015年の間にサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールといったイエメン内戦に介入した国への輸出が倍になっています。2015年にノルウェーがサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール及びクエートに売却した武器は総額1億3900万ドル(日本円158億2237万円)に上っています。


    イエメン内戦で輸出許可はすでに減っていた



    しかしながら一昨年からノルウェー外務省は新しい輸出許可を断り始めており、今回の動きもイエメン内戦との関連も大きく、 カショギ氏殺害をきっかけとして全面停止に踏み切ったと見られます。



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    参考リンク



    Norway suspends future arms exports to Saudi Arabia
    Arm Export Increases, Keeping Norway in Top 20 Arms Exporter List