国際ユダヤ人人権団体「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」(本部ロス・アンジェルス)は13日、防弾少年団BTSのマネジメント会社ビックヒットからの第二次世界大戦における日本人とユダヤ人の犠牲者に対する侮辱事件への謝罪を好意をもって受け取った発表しました。
同センターは防弾少年団BTSのメンバーがナチスの徽章のついた帽子をかぶってグラビア撮影をしたり、原爆のキノコ雲が印刷されたTシャツを着てテレビに出ていたことから、BTSとそのマネジメントに謝罪を求めていました。
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ビックヒットがサイモン・ヴィーゼンタール・センターに送付した謝罪文は以下のとおりです。ツイッターで出回っている日本語の声明とは内容が大きく異なります。
サイモン・ヴィーゼンタール・センター、同理事会および同センター関係者の皆様へ
ビックヒット・エンターテイメントは当社のアーティストをめぐる最近の事件について関知しております。当該アーティストは2014年の雑誌グラビア撮影において、私共も非常に不愉快な印象を与えるものと理解する帽子をかぶっていました。この帽子は雑誌社所属スタイリストのコレクションから渡されたものであります。ビックヒット・エンターティメントは、当社の不注意からこのようなことが起きたことに対して責任を負うものであることを痛感しております。当社は今後自社内の教育を徹底し、このようなことのないよう一層配慮し、当社所属のアーティストにこのような事件が再び起きないないよう、またその影響が及ばないよう努力いたします。このことに関して気分を害された方々に心よりお詫び申し上げます。当該アーティストは先日国連におきまして、現在の世界において自己と他者を愛することが何よりも重要であるという強い信念を表すメッセージを共有いたしましたことは、ご承知いただけることと思います。これはアーティストへの世界的メッセージであります。ビックヒット社は当該アーティストと共に今後もこのメッセージを広め全人類への愛情を共有したいと念じております。
この度はお時間を割いていただき感謝致しております。
敬具 ビックヒット・エンターティメント
BTSのマネジメント会社は13日午前SNSで謝罪声明を発表し、「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」とも直接連絡を取ると表明しました。
同センター副センター長(国際社会運動課長兼務)であるエイブラハム・クーパー師は
今回の無法な事件は歴史の最も暗い時代に関する知識の欠如を示すもので、若い世代の将来に害を及ぼす恐れがある。BTSとそのマネジメントには国際的な知名度を善行を重ねることに用いて、悪の勢力に加担することのないよう求めると語っています。
「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」は今回のビックヒットの謝罪文で、広島・長崎の原爆の犠牲者とナチスの犠牲者の両方への謝罪がなされたと解釈しているようです。
参考リンク
Wiesenthal Center Welcomes K-Pop Group’s Apology For Incidents Offensive To Jewish And Japanese Victims Of WWII